兵庫建築一揆 1

先日のGW中に、兵庫県の建築学生が主催する「兵庫県建築一揆2012というイベントに講評者として呼んでいただいて参加してきました。
このイベントは、兵庫県下の建築学生間の交流を目的とし、6~7人のグループに分かれて72時間設計を行う即日設計コンペティション・ワークショップです。今年で3年目だそうで、今年はKIITOで開催されました。
今回の講評者は、芦澤竜一さん、畑友洋さん、建築写真家の田岡伸樹さん、私の4人。設計の課題文については、芦澤さんと畑さんと私でメール会議の末、決めました。
今年の課題は「震災後の日常」 以下、課題文です。
『東日本大震災後一年が経ちました。震災後、日常が大きく変わった人、変わらなかった人。それぞれの震災後の日常があったかと思います。直接何らかの形で関わった人や、間接的に関わった人、情報として知っている人などそれぞれ感じ方は違っていると思いますが、明らかに先の震災によって、少なくとも日本の建築におけるパラダイムはシフトしたと思いますし、そうしないといけないと思います。
17年前に、同じく大きな地震を経験した兵庫県において、今回の学生の集まりが少なくともそういったことをそれぞれの立場で考える場所になるだけでも有意義な場になるのではないでしょうか。震災後、身の回りの日常的なものを再編する必要性もでてきていると思います。例えば都市、まちの中である場所を発見し、建築的に再編集するというプロセスを考えることもあるかもしれません。日常や生活・住まい、コミュニティー、都市構造や都市システム、公共性などの再編・再構築も必要となっています。一度、この機会にみなさんで、「震災後の日常」を見つめなおし、これからの世界・都市・社会を提案してみてください。』このイベントの成果が、後日一般の人に向けた展示を前提に行われていることもあり、震災を経験したこの兵庫という地で、もう一度震災について考えることが有意義だと考えました。

5月2日の夜に課題発表があり、3日の15時から中間講評。


中間講評では畑さんと私が出席し、学生さんの発表後、コメントと個別エスキス。


さすがに、課題発表から半日なので、課題に対するアプローチと方法の筋が通ってない班が多く、考えていることを整理するようなエスキスをしました。そして、2日後。最終講評会です。芦澤さんが急用で来れなくなり、三人での講評となりました。


丸3日、泊り込んでひたすら課題に取り組んだ学生さんたち。体力的にも限界かと思われる中、発表会が行われました。
まずは各班の発表と質疑応答。その後、各班の代表者が前に出て我々とのディスカッション。畑さんと私は気になるところも似ており、評価の基準も似ていたように思うのですが、田岡さんは建築写真家という顔のほかに、プロデュース業もされていることもあり、プレゼンテーションや、コンセプト力に評価の基準を置かれていて、視点の違いが面白く感じました。
たった、72時間で出された成果物は図面あり模型ありでかなり密度のあるものでした。各班の作品は次回のブログとして、全体の印象を。
グループ作業ということもあり、見た目の成果物としては完成度の高いものが多くありました。しかし、時間が短いせいで意見のぶつかり合いがあまりなかったのか、問題設定からの提案がストレートすぎて、新しさに欠けていたように思います。いいところに目をつけているのにおしい!!という案が3つくらい。ま~、このあたりは、時間とその日初めて会ったメンバーであることなど、難しい条件下なので、しょうがない部分は多いんでしょうけど。多少無理が出ても、挑戦的な提案が欲しかったところではあります。
でも、震災を通して自分たちの日常や都市や建築を見直すことはどの班もしっかりできていたんじゃないでしょうか。それだけでも、有意義な時間だったと思います。この成果物の展示が5/19~6/3の期間中KIITOにて行われるそうです。当日、参加できなかった人、気になる人は是非見に行ってみてください!