立ち呑みコミュニケーション
先日、私のお気に入りの立ち呑み屋『てんまや』に産後久しぶりに行きました。
その日は、てんまやで知り合い、この8月で転勤で東京に戻ってしまうIさんの送別?という名目。結局、あまりに久々に行ったので、他の常連さんたちにも久々に会い、なんやかんやIさんと話した時間は少しだけという結果になりましたが。。。
そのとき、Iさんがおっしゃっていたことで、大阪の立ち呑み屋の魅力を再確認しました。東京出身のIさんは始め、立ち呑み屋で『誰かに話しかけられること』が凄く嫌だったそうです。東京でも立ち呑み屋にはよく行かれてたそうですが、そこでは、『見ず知らずの人が話しかけてくる』なんてことはなく、お客さんそれぞれが自分のペースで飲む場だったそうです。
それが今では、「こっちにいっぱい知り合いできたし、東京に戻ってもちょくちょく遊びにくるよ!」と言ってくれるほど、大阪好きになってくれました。でもやっぱり、最初Iさんは大阪の立ち呑み屋で『見ず知らずの人が話しかけてくる』ことに凄く抵抗があったそうです。そういえば一年ほど前、私がIさんと知り合った頃、「大阪の女の人って口調がきついから苦手なんだよね」とか言ってました。ちゃんと「じゅんちゃんの大阪弁は柔らかいから大阪弁の印象変わったけど」ってゆってくれましたがw
そう、大阪の立ち呑み屋では、『見ず知らずの人が話しかけて』きます。私も話しかける人です。そのコミュニケーション方法はいろいろですが、私も基本一人で行くし、一人で来る人も多いので、まずは一人もの同士のコミュニケーションから始まります。
「お一人ですか?」「よくこの店には来られるんですか?」などから始まり、ちょっと打ち解けてくると、「お名前は?」とか「職場か家がこの辺なんですか?」など、ちょっと踏み込んだ話に。とはいっても、名前もニックネームであったり苗字だけだったりとフルネームを知ることなんてほとんどありません。
職業なんて、最初ほとんどみんな口にしません。何度か会ううちに、「あ、この人はこういう仕事してるっぽいな~」って想像する程度です。(最近Facebookが飲み仲間の間でも浸透してきて、そこでフルネームを知る、職業や日常を知る。なんてことがしょっちゅうです)そして、このコミュニケーションの中で重要な役割を果たすのが『瓶ビール』です。
隣に『瓶ビール』を飲んでる人がいたら、自分も『生ビール』じゃなく『瓶ビール』を注文します。それも、隣の人と同じ銘柄を。
そして、隣の人のグラスが空になったら、自分のビールを「どうぞ」と注ぐ。そして注ぎ合いとなります。『瓶ビール』は共有できる唯一の飲み物です。
料理も、これは一人ではちょっと多いなと思ったら、「少しどうですか?美味しいですよ」と共有する。時には、「これ、こっちにつけといて~」とご馳走していただいたりもします。
こうやって、話しかけたり、話しかけられたりが起こります。立ち呑み屋に来る人は、年齢も職業もバラバラ。共通点はただ「一人でも酒が飲みたいくらい、お酒好き」ということくらいじゃないでしょうか。そんな人たちが、そこで出会い、いつの間にか一緒に山に登ったり、BBQをしたり、甲子園に行ったり。時には別のお店に一緒に行ったり。私も立ち呑み屋で知り合った女友達とランチをしたり買い物に行ったり。そこ以外の場所での交流も生まれます。
こういうコミュニティってとても特殊だけど大事だと思っています。バラバラだからこそ、視点も違い話していて面白い。そもそも、私の立ち呑み屋好きは、坂倉にいた頃に始まります。私のツイートにも何度か出てきてると思いますが、京町堀にある『こはくはこ』が私の立ち呑み屋デビュー。そして立ち呑み屋の魅力を教えてくれたお店です。
さすがに最初は私も一人で立ち呑み屋にいくなんて勇気はありませんでした。けれど、ずっと 『こはくはこ』 が気になっていたので、職場の上司にお願いして一緒について来てもらったのが最初でした。そこからは、一人で「晩御飯」という名目で仕事の合間に通う日々w『こはくはこ』 のお客さんたちも、もちろんマスターもママもとてもいい人で、お店の雰囲気は毎日行きたくなるくらい賑やかで活気にあふれています。
そんな 『こはくはこ』 で私はいろんな人に出会い、お酒をついだり注がれたり、いろいろご馳走になったり、そしていろんな話をし、楽しい時間をたくさん過ごしました。私の結婚式二次会には、常連仲間が来てくれたほど仲良くなりました。けれど、結婚&退職とともに京町堀から離れ、あまり「こはくはこ」にはいけなくなってしまい、新天地「天六」で立ち呑み屋を探していました。
そこで、初めて一人で入ったのが『泰三屋』。最近はほとんど行かなくなってしまいましたが、魚がおいしい、いいお店です。
その後、半年くらいして、泰三屋の近くに「てんまや」がオープン。冷やかし?に泰三屋の常連仲間とオープン当日に「てんまや」に行ったのがきっかけで、いまではすっかり「てんまや」好きになってしまいました。
とにかく、なんとも頼りなさげ?に見える店長と、それをほっとけない仲間が集まるお店です。そんな店長も料理をさせたら、和洋中なんでもいける。とにかく料理がおいしい。そして安い!そして、立ち呑みの魅力、そこで繰り広げられるコミュニケーションはプライスレス!です。
きっと、他にもたくさんこんな立ち呑み屋さんはあると思います。みなさんも、一度立ち呑みに「お一人さま」で行ってみてください。きっといい出会い、新しい発見があるはずです!