SPACESPACE事務所から間取り的想像力へ

先日ちょっとご紹介しましたが、うちの事務所は間口13m、奥行き1.3m~3mという築42年鉄骨3階建ての建物です。表から見ると、そこそこ大きなビルに見えます。


けれど、中へ入ると。。。こんな奥行きです。(これは広い方3m弱の奥行きの部分です)


この執務スペースは幅1.8m~3m弱です。狭いようですが、900幅のテーブルを置いても両サイドに人がちょうど座れるスペースが十分に確保されます。事務所として1階と2階の一部を使い、残りは住居として使っています。これが、不動産屋さんから最初にいただいた図面です。当初はこんな間取りでした。


なんと屋上つきです!しかし、当初は一階南側のスペースに無造作にむき出しのUBが置かれていたり、北側は居室として使われていたため、床上げの上クッションフロアが貼られていました。それを、学生さんとともにバキバキと撤去。UBも撤去し、2階のトイレスペースに無理やり浴槽を設置。

東側の吐き出し窓を塞いでいたベニヤも撤去。


開放感のある吐き出し窓が姿を現しました。窓は後に型ガラスの窓から全面透明ガラスの吐き出し窓に入れ替え)


そしてその後、みんなでワイワイ壁や天井、窓枠までとにかく全てペンキで真っ白に。


その床に、女子左官屋の友人の力を借り、また自分たちの手で床にモルタルを敷きました
かなりの力仕事ですが、さすがプロ。手馴れたもんです。


寸角を使って平衡に均していきます。


はじめの方は見てるだけで手出しできず。。徐々に私もお手伝い。


けれどやっぱり、最後の押さえや仕上げはプロの手に。


学生さんも頑張ってくれました!


そして見事ツルツルピカピカの床に!!


日を改めて、南側のスペースも。ペンキの買出しに車を出してくれたり、長靴を貸してくれた、屋根裏設計の寺田さんもモルタル敷きの体験!(なんか慣れない手つきw)


そしてやっぱり最後はプロの手に。


このとき、彼女も私も結婚式を1ヵ月後に控えながら、「手が荒れる~~」と笑いながらの作業でしたwそして、見事に美しく仕上がった南側部分。


こうやって、多くの人のお手伝いによりSPACESPACEの事務所は完成しました!こんな作業をしていたのは寒さも残るちょうど今頃の季節。もう2年も前のことです。そんな、うちの事務所。
この幅を見ていて、何かを思い出しませんか?そうです、先日発表したDアパートメントです。あの居室の幅は約2m。その寸法設定は極端すぎると思われている方がいるかもしれませんが、我々は、執務スペースとしても、居住スペースとしても約2mの幅を毎日体験し、使いこなしています。使いこなす。とは大げさで、普通に住めています。そんな体験からきている寸法設定なんです。香川がAAR でも「間取り的想像力」として書いているように、こういった見出される対象でしかなかった特有の面白さを設計の方法論に取り込んでいこうとしたのがDアパートメントなのです。