月形先生&谷川先生最終講義
先日、OCTで三十数年勤め上げられ、退官される月形先生と、谷川先生の最終講義がありました。
谷川先生がOCTに来られたのは1979年とのこと。私が生まれた年です。そんな長い間OCTを見てこられ、教鞭をとり続けられたお二人のお話でした。同じように月日をOCTとともに過ごされてきたお二方ですが、その最終講義のやり方は全く違いました。
月形先生は、専門が都市計画でありながら、お話されたのは、ご自身とOCTとの歩みについて。35年という月日の間には、たくさんの変革期があったそうです。建築学科だけで10クラス以上あった時代。その人数に対応するために、専門は都市計画でありながら猛勉強の末、建築設備の授業も担当されたり、時には製図の先生として教鞭をとられたり。
はたまた学校運営についても長きにわたり関わって来られていて、そのお話はOCTの歴史の深さと先生の熱い思いが伝わってくるものでした。
また谷川先生は専門が建築史。中でもゴシック建築が専門なので、ゴシック建築の話をされるのかと思いきや、タイトルはゴシック建築と禅。禅!?!?という疑問を持ちながら頭の片隅に、数か月前、先生が頭を丸めてこられたのを思い出しました。
お話を聞いていると、どうやら在家の仏教徒になられたとのこと。そもそも、キリスト教の宗教建築としてのゴシック建築を研究されていた中で、教会や大聖堂など、人々が祈りを捧げ、瞑想する空間はとても神聖で情緒的で体で感じるものであり、そんな場所をスケールで測ったり、プロポーションを研究したりすることに、とても疑問を感じていたとのこと。そんな宗教観に接する中で、「仏教」に興味を持ち、禅の世界にはいったのだそうです。
先生のされたお話は、まるで仏教のお説教のようでとても深く、先生の人生観を感じるものでした。
お二人とも、語り口は違えども、やはり人生、お考え、ともに深く、私が先生方の年になった時に、このような深い話をできる人間になっているんだろうか、こんなに深みのある人間になっていたい。と思わせてくれる講義でした。そして、先生たちが作り上げてこられたOCTをきちんと受け継いでいかないといけないなと、背筋が伸びました!
講義終了後は、先生方と送別会へ。
お二人と写真を撮っていただきました。
月形先生、谷川先生。本当に長い間お疲れ様でした。