DESIGNEAST04 KIDSCAFE 設営編

DESIGNEAST04にて、今年は私、岸上純子が木村松本建築設計事務所の松本尚子さんと新ユニットMOM(マム)を結成し、KIDSCAFEの会場構成を担当させてもらいました。

MOMは2012年に第一子を出産した二人によるママ建築家ユニットです!今回は設営編です。

DESIGNEASTの中のKIDSDCAFEとして考える上で意識したのは、「状況をつくること」と「材料」です。「材料」は、「素」のもので、一見いらないものに見えるけど、見方を変えるととてもいい「素材」になるものがいいなと思っていました。また、こどもたちがゆっくりくつろいだり遊ぶ場として、作りこまれ完成されたものではなく、そこに来る子どもたちが徐々に参加することによって、場所が作られていくような場になればと思っていました

そこで、「材料」は「木の枝」としました。とある小雨の降る週末に、蚊の襲撃にあいながら公園で拾い集めた木の枝。枝の組み方の粗密のスタディーを現地でしながら、必要な分量の枝を拾い集めました。


そして、現地での設営日前二日間、ドットアーキテクツさんの事務所下を借りてその枝たちをペンキで塗装。地道な作業を学生さんたちが頑張ってくれました!


そして、設営1日目。会場となる名村造船所跡地での設営前の枝配置を確認します。一箇所ぽっかりと空いた場所や、枝の組み方の粗密によって、場をつくります。そして、軸となる太くて大きな枝を吊って行きます。

脚立に上って吊るグループ、手の届く範囲を釣るグループと手分けして吊っていきました。

吊元は、大きな枝は梁から、少し細く長い木は600グリッドで配置したマグネットフックからテグスで吊っています。


日が沈んだ頃、やっと空間が見えて来ました。


そして、設営一日目終了。7M×9Mの楕円形の平面で、低いところが1500、中央の一番高いところが2500という、天蓋のような形状が徐々に見えて来ました。

二日目。1日めに引き続きボランティアの学生さんがいっぱい入ってくれて、少し細めの木をどんどん組んでいきます。


そして、日も暮れる頃、全ての枝が組み上がりました。KIDSCAFEというサインもついて、枝部分は完成!その後、深夜にスタッフの加藤くんたちが頑張ってくれて、床のダンボールパネルが施工されて、DESIGNEAST初日にはこんなに素晴らしい場所が完成していました!

(初日の朝、バタバタしていて、ちゃんと全貌の写真が撮れていませんでした。。。)


実は、この天蓋。白い枝だけでできているように見えますが、よーくみると、かわいいオブジェがところどころにあるんです。


今回、このプロジェクトに、アーティストのいりえみなこちゃんに協力してもらい、イラストとオブジェをつくってもらいました。初日のこの場所の状態は、白い枝のところどころに枝と同化するような、でも枝をいろいろなものに見立てさせてくれるオブジェでできた空間です。
白い枝を使って場所をつくると決めたとき、いりえさんのイラストがイメージにぴったり合うと思い、スケジュールの厳しい中お願いして本当によかったと思える仕上がりになりました。

初日の状態もとてもよかったのですが、この場所が会期の3日間、さまざまな子どもたちが参加することでどのように変わっていったかは次回のブログまでお楽しみに。

とっても魅力いっぱいの場所になりましたよ。それでは次回。