韓国建築(現代建築編)

これでラスト。現代建築編です。

ソウル郊外の都市で、38度線を隔てて北朝鮮と接している、坡州(パジュ)にある出版都市。出版関係の企業が集まった都市で、世界中の建築家が設計した建物が集まっています。SANAAの作品もありました。各々の建物はかなり巨大で、工場団地のようなスケール。ちょっと日本では考えられないプログラムですね。

アルヴァロ・シザの美術館。残念ながら閉館。


このような巨大な建築で出来た都市です。




同じくパジュにある、出版都市からすぐ近くのヘイリ芸術村。アーチストが住んでいるらしく、こちらは各々の建物がもう少しヒューマンスケールで出来ています。ただ、各々の敷地が広いので、ほとんどの建物が4面とも見ることが出来るパビリオン型の配置をしており、普通の街よりは博覧会の風景に近い気がします。

その中にあるBOOK HOUSE。


内部は巨大な吹抜のレストランで、片側の壁面が全て本棚になっています。


スロープ沿いに本が並ぶ。


Mass studiesの作品。今は子供の遊び場として使われてます。柱を隠すように取り付けられたキャラクター。若干残念な感じに。


韓国の建築家による作品。結構若い人らしい。


クラッシック音楽を聴けるカフェ。


正面の教会の祭壇のようなものが音響機器。


最後に、今回の展覧会に出展した韓国の若手建築家の作品。WISEによる商業ビル。プロジェクトは中層のビル一棟ですが、発表前なので1フロアだけ。江南という地域に建っています。丁度オープンハウスが行われたので見れました。


屋上で記念撮影。


日本語も堪能な、韓国人建築家Changhyun Parkさんが在籍するSAAIの作品。今回出展していた集合住宅。慣習的な集合住宅のボリュームとボキャブラリーを使いながら、それらの組合せをちょっとづつ変えた作品。


設備への配慮は藤村事務所と共通するところがある気がします。


日本の集合住宅にスケールが近く、韓国ではかなり小さいスケール。


階段室のアートワーク。


同じくSAAIによるAPCの店舗。日本でも馴染み深いフランスのファッションブランド。密集した商業地の中で、小住宅のような建ち方をしてます。




裏側の既存店舗との間の隙間を庭として設計。


これはおまけ。近代以前編で紹介した、韓屋がある地域に建つ美術館(設計:SO-IL)。




出展してる韓国建築家の作品をもう少し見れれば良かったのですが、タイムアップでした。
SPACESPACEのパートナーのDesign Group OZは会期中に大きな仕事が入ったらしいので、次回の訪問では是非見学したいと思います。
ちなみに、この展覧会の企画者である、O.C.A.の Lim Jae Yong 氏とみかんぐみの曽我部昌史氏は、2011年にも横浜のBankART1929で韓国の建築家を紹介する展覧会「韓国建築の新たな地平-NEW HORIZON in Korean Architecture」を開催しています。
政治的には難しい問題が残る両国ですが、このような機会が増えることを願っています。