日光東照宮

日光東照宮に行って来ました。
ブルーノ・タウトは桂離宮を賞賛し、東照宮を建築の堕落の極地と否定しますが、篠原一男は住宅論に収録されている「装飾空間のための覚え書き」のなかで東照宮について、工芸品としてではなく建築として肯定的に書いています。
ちなみに、同書の中では金閣寺にも触れていますが、彼の建築作品には「金色」の部材は出て来ません(使おうとしたことはあるらしい)。

この装飾空間と言うのは、彼が上げる三つの原空間、機能空間・象徴空間・装飾空間のうちの一つなのですが、装飾空間は他の2つと重なることが多く、単独で現れた建築を未だ見たことがない気がします。東照宮は装飾性の高い建築ではあれ、他の二つもあるわけなので。

陽明門


陽明門拡大


現在、宗教建築以外でこの三つの原空間が重なるような建築があるとすれば、商業建築ぐらいではないでしょうか?