建築×合宿2016

先日、3年ぶりにまた建築×合宿のジュリストとして呼んでいただき、中間講評と最終講評会に行ってきました。

今回学生が6日間泊まり込んでいるのは「吹田市立もくもくの里」。「吹田市立」なので、てっきり吹田に行けばいいのだと思っていたら、なんとその施設があるのは「滋賀県高島市」!!琵琶湖の西岸地域の山の手です。その施設の最寄り駅である「近江今津」駅周辺で、地域のサーベイを通して「みんなの場所」を提案するというのが今回のジュリストであもある芦澤竜一さんからの課題。

中間講評に向かう際、敷地を知っておこうと、ちょっと早めに駅に着き、学生からもらった敷地資料を元に周辺をウロウロ。街歩きが大好きな私は最初ワクワクしていたのですが、すぐに気持ちはどんよりモードに。。というのは、、人がいないから。。歩けど歩けど人に会わない。すれ違うのは車ばかり。駅前にもあまり人がおらず、一時間に一本程度の電車が来たときだけ数十人の乗り降りがあるのみ。駅前すぐの商店街にもひと気はなく、妙に大きなボリュームで流れるJ-POPが悲しさを増していて。。
他の敷地候補地の全てにも回ってみるも、やはり人に会わない。ここに「みんな」の場所かぁ。。と主体の見つからなさに若干途方にくれながら、一時間ほどの街歩きの後、タクシーに乗って会場に。そのタクシーの中、運転手さんの話では、高校を出たらみんな町を出る。若い人が本当にいない。その理由は、とにかくここには仕事がない。昔は農家も漁師もいっぱいいたそうだが、近年は専業ではやっていけず、ほとんどの農家は兼業。それでも続けてるところは珍しいという。実際そのタクシーの運転手さんも、タクシーと農業と、あと一つ聞き逃したのだけど3つの仕事を兼業しているのだとか。

地方都市から都市部に出てくる人が良く言う、「何もない」は、単に娯楽がないということではなく、生活に一番必要な「仕事がない」という深刻な問題もあるのだと気づかされました。そんな、状況の中、学生さんたちが提案した内容はある意味、そのあたりの深刻さを振り切り、素直に「現状のいいところ」を探し、更に「こうなったらいいな」を提案したものでした。

深刻な経済的な状況、社会的な状況を無視してしまうことが、必ずしもいいことではないですが、1、2回生の参加する建築×合宿の成果としては、ある提案があったように思います。とにかくみなさんお疲れ様でした。ここで、学んだこと、つながりを大事にこれからも建築を楽しんでほしいなと思いました。

みなさんお疲れ様でした!