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八木プロジェクト ~出会い編~
2015/04/18 15:28

これを機会に2013年2月から始まった「八木プロジェクト」についてちゃんと書いておこうと思います。

まずは出会い編。八木プロジェクトは2013年2月に、奈良県立医科大学の医大生のサークル「チームPREドクターズ」のメンバー3人が、うちの事務所に相談に来たところから始まります。

(PREドクの三人と後日現地へ行った時の写真)

その相談とは、「学校近くの空町屋を安く借りられそうなので、そこでカレー屋を開きたい。それに向けて町屋を改修したいので、設計のアドバイスが欲しい」とのことでした。

よくよく話を聞いていると、簡単に言ってしまえば、「なんとなくのお店のイメージは持っていて、工事も自分たちでしたい。けれど、技術もないし知識もないから助けて!」と。これは単なる設計依頼ではないことはすぐわかるし、相手は学生。設計料なんて概念は全くない様子(笑)
もちろん、単に技術的なことだけ相談に乗ってサラッと済ませることもできたのですが、彼らのそれまでの活動を聞いているとそのバイタリティに魅力を感じ、じっくり協力せずにはいられなくなりました。

そしてなにより、「医大生」が「自分たちで町屋を改修」することが面白そう!だと思いました。
そんな機会はなかなかないし、町屋にも彼らにもポテンシャルはあるので、それを最大限に生かしてあげたい!私たちも協力する限りは、面白いものにしたい!という気持ちがありました。
そこから、私たちの彼らへのヒアリングと提案がはじまっていきました。次回へ続く。。


writer:KishigamiJunko/ category:WS-八木, 近況


八木プロジェクトが毎日新聞で紹介される
2015/04/18 13:53

今日(2015年4月18日)の毎日新聞朝刊に、SPACESPACEとOCTで取り組んでいる、八木プロジェクトが紹介されました。

おおさか 「まなびやの宝」という記事です。私が取材を受けたのですが、コメントがちょっとだけ最後に載っています。
この記事になっているのは、第一期(2013年2月~2013年8月)についてなのですが、現在第二期として同じ南八木地区の別の町屋の活用に取り組み始めています。

第一期では、活用の方法自体は、うちの事務所と運営者である奈良県立医科大学の学生チーム「チームPREドクターズ」とで決めてからの、OCT学生の参加だったので、OCTの学生は、改修の技術的な部分をサポートする「手足」として協力することになったのですが、第二期は、まだ活用の方法すらなにも決まっていない状況です。

なので、OCTの学生には単なる「手足」ではなく、活用方法を探る段階から一緒に取り組み、「企画」することの面白さと、いろんな分野の人たちと「協同」する楽しさや意義を肌で感じてもらえたらなと思っています。

専門学校というと、やはり「技術を身に着けるところ」というイメージが大きいですが、OCTはそれだけではありません。「モノ」と「コト」の両面から建築やその周辺を考える機会を常につくっています。時代背景から、単に「つくる」だけでなく、「つくるまえに考える。つくられ方を考える」等が必要な職能になっています。そういった職能を、実体験を元に身に着けられるのがこの八木プロジェクトだと思っています。

そういう部分も取材でお話したのですが、文字数が決まった記事になると難しいですね。ということで、補足させてもらいました~。


writer:KishigamiJunko/ category:WS-八木, 掲載, 近況


南八木町町家改修WS①
2015/03/14 16:26

約2年前から我々がサポートをしているまちづくり活動があります。

奈良県橿原市南八木地区で、空き家となった古い町屋を改修することにより、まちに開かれた場とする活動です。第一期としては、一軒の空き家だった町屋を地域の方々や、近隣にある奈良県立医科大学の医学生たち、私が教員をしているOCTの学生や先生と一緒に改修することにより、まちのコミュニティースペースとなるような、学生が運営する「食堂」と「寺子屋」に生まれ変わらせました。



そして、この1月から第二期として、以前改修した町屋の二軒隣の空き家活用に向けて動き出しています。


まだ、どのように活用していくかは検討中なのですが、まずは現状把握を。ということで、先日、OCTの学生を引き連れて、実測に行ってきました。
いくつかのチームに分かれ、それぞれの担当箇所を実測し、メモしていきます。






屋根裏にも上がって実測もします。また、実測と同時に床板を剥いだりしながら現状の建物の状態を診断していきました。


みんな埃だらけになりながらも、一生懸命作業していました。いくら机上で勉強していても、実際に見ることが一番の理解につながります。そして、実測の後は図面化していく作業です。測り残しがないようにその場で手描きでどんどんラフに図面化していきました。


今回は、とにかく町屋という「モノ」を知るところから。次回は、この「モノ」のよさを伝える「コト」の企画として、近隣の小学生と一緒に左官ワークショップをします。
また、その様子も報告したいと思います。


writer:KishigamiJunko/ category:WS-八木, 近況