SPCSPCブログ

SPACESPACE


兵庫建築一揆 2
2012/05/25 13:31

開催後だいぶ経ってしまいましたが、各班の提案内容とちょっと講評を。

まずは1班。

大阪市内のとある長屋密集地のヴォイドをコミュニティの場にするという提案。 コミュニティーのきっかけとして、震災時に構造的不安のある長屋の構造を補強するフレーム(構造的にほとんど効かないようなものだったけど・・・)を外部にまで突き出すことにより、そこにテントのようなものをかけて、居場所をつくる。
この案は、長屋の「裏」が地域コミュニティの場になるという点で、一見魅力的だったのだけれど、このような提案に適したヴォイドが地域の中にどれだけ存在し、どれだけ閉じたものではなく開けたものにできうるのか。どれだけの、どの範囲の住人たちまでコミュニティの対象に入れているのかなどが議論された。結果、どうも、今回見つけてきた場所だからこそ可能な案で、汎用性が少ない印象で残念。

2班。

花壇により、集合住宅内のコミュニティを形成するという案。人が住む場所もグリッドだけ決めておき、住人自身にどこに住むかを自由に決めてもらうというもの。高低差などもあり、風景として楽しげな案。花壇と生活の距離を住人が選びながら住むという集合住宅のかたち。けれど、残念なのは生活する場のプランが普通だったこと。花壇との関係や、外部との関係、他の住戸との関係性などがプランに影響してきていてもよかったのではという印象。
あとは、みんなでコミュニティ=共同する=花壇という提案が既視感があることが残念。

3班。

入居率が60%程度になった集住をスケルトンにし、これもまた、住人自身が他者と距離をはかりながら住む場所を決めるという案。距離をとる方法として、すりガラスの開口部や、布?で仕切った吹き抜けなどの仕掛けが提案されていたけれど、それがあまり魅力的ではなかったのが残念。そのような材料に頼った提案ではない方法で距離を設計して欲しかった。それと、やはり居住率を60%のまま提案するのでは、共用部が豊かになるのが当たり前なのだから、もう少しリアリティのある提案が欲しかった。

4班。

まちのコミュニティ形成に、「祭り」を持ち込むという提案。「来た!」と思うも、どうも私が思う魅力と、彼らの考えていることに食い違い多数。。祭りというのは、年1回の出来事ではなく、その日のために組織される祭り独自のコミュニティがある。また、そのコミュニティが集まる場もとても大切な場となり、祭りは日常に溶け込む。「祭り」は一見、「非日常」的であるが、実はとても地域の「日常」になりうるものである。なのに、提案が、祭りの際に神輿が通る順路の提案というイベントの提案にとどまっており、神輿を収納する倉庫を提案しているにもかかわらず、その倉庫はあくまでも倉庫であって、「目立たないもの」「黒子」として質疑応答の際も、断じて建築的に提案しようとしなかったことが残念。

5班

まちへの記憶、愛着ってどこから生まれるんだろう?という疑問から始まった提案。グループメンバー各自の原風景をスケッチしたり、ディスカッションする中で、人の記憶に残るまちの風景のきっかけを探っていた。まちや、都市の日常を考える中で着眼はよかったのだけれど、最終的に選んだ敷地に行ってみたら、既に、「凄く人と人との関わりが深いいい町だった」「僕たちの理想の町だった」で終わってしまっており、それが情緒的なことで完結していて、設計言語にまで行き着かなかったのが残念。

6班

既存の木造住宅に、シェルターのようなボリュームを挿入するという案。最初のプレゼンの時に、「他は壊れても残るシェルターを持つ住宅を新築する」というので、それなら、全部が壊れないものをつくろうよ。。。という話になったのだけれど、ディスカッションをするうちに、既存の住宅に挿入するシステムだと考えているというメンバーもいて、それならアリかという話に。
OCTの去年の卒制で、同じような提案があった。要するに、構造的に不安な住宅に、被災時に「最低限の生活の場」になりうるコンクリートの構造体を挿入する。日常時はもちろん普通の住宅の一室として機能し、被災時、もしも他の部分が崩壊しても、この構造体は残り、「最低限の生活の場」として、また、自分の家があった「場所の証」として、「復興のきっかけ」としてあり続ける。いつ起こるかわからない震災のみに備えるのではなく、日常をも快適にし、もしもの時はそれが人々を守り、コミュニティを残し、復興のきっかけとなる「備え」の提案はありうるかもしれないと思った。しかし、彼らの提案でおしいのは、「日常」を快適にしてくれるものではなかったこと。あまりにも、シェルターが構造体でしかなく空間化されていなかったこと。でも惜しい。

最後に7班

これも、2、3班と同じく、コミュニティ形成のために、参加型で建築をつくる案。柱と屋根だけ与え、まずは一番小さいスケールのものとして「一人の居場所」をつくる。次の段階で、それが住宅となり、最終的には公共施設となり、都市となる。という提案。参加型で、「囲い」をつくるために、かたちを規定しないように与える屋根はいびつな形をしている。システムとしてわからなくもないが、やはりリアリティに欠ける。いったい誰がどのようにプロデュースし全体をまとめていくのか。所有の問題はどうなるのか。など。今回のテーマに対して、7班中5班が震災によりコミュニティの大切さを感じ、コミュニティ形成のための住人参加。という提案だった。他の2班は土地への記憶に対する提案。確かに、住人が「つくる」プロセスに関わるとそこに愛着が湧き、コミュニティ形成のきっかけになることは様々なワークショップが各地で行われていることからも分かる。
しかし、そのファシリテーションやプロデュース、システムづくりが大切なのであって、単に、「住民が自由に」とか言っていると夢物語で終わってしまう。

今回のテーマでは、震災という「非日常」をきっかけに「日常」を捉えなおし、建築をとりまく環境を再構築、再定義するきっかけになればという意図であった。「非日常」に「備える」だけではなく、それが「日常」を豊かにできるものが魅力的だと考える。そういった意味では、どの班もちょっと惜しい!という感じ。
しかし、3日間という時間、真剣に震災について考え、それなりの答えを出したことは評価できると思うし、いい機会だったと思う。ここで考えたことを忘れずに今後も、建築とは何かについて考え続けて欲しいと思う。

ということで、私もいろいろ考えさせられました。呼んでくれてありがとう!
作品解説が間違ってたらゴメンナサイ。私の記憶に残っている解釈です。これらの作品を実際に見たい方は是非、KIITO( 神戸商工貿易センタービル26階 2620号室 )へ!現在、(5/19~6/3まで)これらの作品が展示されているそうです。


writer:KishigamiJunko/ category:イベント


兵庫建築一揆 1
2012/05/16 13:06

先日のGW中に、兵庫県の建築学生が主催する「兵庫県建築一揆2012というイベントに講評者として呼んでいただいて参加してきました。
このイベントは、兵庫県下の建築学生間の交流を目的とし、6~7人のグループに分かれて72時間設計を行う即日設計コンペティション・ワークショップです。今年で3年目だそうで、今年はKIITOで開催されました。
今回の講評者は、芦澤竜一さん、畑友洋さん、建築写真家の田岡伸樹さん、私の4人。設計の課題文については、芦澤さんと畑さんと私でメール会議の末、決めました。
今年の課題は「震災後の日常」 以下、課題文です。
『東日本大震災後一年が経ちました。震災後、日常が大きく変わった人、変わらなかった人。それぞれの震災後の日常があったかと思います。直接何らかの形で関わった人や、間接的に関わった人、情報として知っている人などそれぞれ感じ方は違っていると思いますが、明らかに先の震災によって、少なくとも日本の建築におけるパラダイムはシフトしたと思いますし、そうしないといけないと思います。
17年前に、同じく大きな地震を経験した兵庫県において、今回の学生の集まりが少なくともそういったことをそれぞれの立場で考える場所になるだけでも有意義な場になるのではないでしょうか。震災後、身の回りの日常的なものを再編する必要性もでてきていると思います。例えば都市、まちの中である場所を発見し、建築的に再編集するというプロセスを考えることもあるかもしれません。日常や生活・住まい、コミュニティー、都市構造や都市システム、公共性などの再編・再構築も必要となっています。一度、この機会にみなさんで、「震災後の日常」を見つめなおし、これからの世界・都市・社会を提案してみてください。』このイベントの成果が、後日一般の人に向けた展示を前提に行われていることもあり、震災を経験したこの兵庫という地で、もう一度震災について考えることが有意義だと考えました。

5月2日の夜に課題発表があり、3日の15時から中間講評。


中間講評では畑さんと私が出席し、学生さんの発表後、コメントと個別エスキス。


さすがに、課題発表から半日なので、課題に対するアプローチと方法の筋が通ってない班が多く、考えていることを整理するようなエスキスをしました。そして、2日後。最終講評会です。芦澤さんが急用で来れなくなり、三人での講評となりました。


丸3日、泊り込んでひたすら課題に取り組んだ学生さんたち。体力的にも限界かと思われる中、発表会が行われました。
まずは各班の発表と質疑応答。その後、各班の代表者が前に出て我々とのディスカッション。畑さんと私は気になるところも似ており、評価の基準も似ていたように思うのですが、田岡さんは建築写真家という顔のほかに、プロデュース業もされていることもあり、プレゼンテーションや、コンセプト力に評価の基準を置かれていて、視点の違いが面白く感じました。
たった、72時間で出された成果物は図面あり模型ありでかなり密度のあるものでした。各班の作品は次回のブログとして、全体の印象を。
グループ作業ということもあり、見た目の成果物としては完成度の高いものが多くありました。しかし、時間が短いせいで意見のぶつかり合いがあまりなかったのか、問題設定からの提案がストレートすぎて、新しさに欠けていたように思います。いいところに目をつけているのにおしい!!という案が3つくらい。ま~、このあたりは、時間とその日初めて会ったメンバーであることなど、難しい条件下なので、しょうがない部分は多いんでしょうけど。多少無理が出ても、挑戦的な提案が欲しかったところではあります。
でも、震災を通して自分たちの日常や都市や建築を見直すことはどの班もしっかりできていたんじゃないでしょうか。それだけでも、有意義な時間だったと思います。この成果物の展示が5/19~6/3の期間中KIITOにて行われるそうです。当日、参加できなかった人、気になる人は是非見に行ってみてください!


writer:KishigamiJunko/ category:イベント


新・港区
2012/05/15 13:36

ヨコハマトリエンナーレ2011の連携プログラムとして行われた、BankART LIFEⅢ「新・港村」が「新・港区」になって再始動する模様。
いろいろな分野のクリエイターが活動する、巨大シェアオフィスですね。 新・港村の際に建てられた建物はそのままで、クリエイターがそれぞれに店子として入るようです。
SPACESPACEが設計した「ブックショップ」はタカノ綾さんが入られるようです。この短期間で、ブックショップが画家のアトリエになるという。面白い企画ですね。



writer:kagawa/ category:イベント


「にほんのいえ」展 勝手にギャラリートーク
2012/04/06 21:37

現在、大阪堂島リバーフォーラムにて、「にほんのいえ」展が開催されており、我々も出展させていただいています。


今日は、OCT設計学科一年生の設計演習の授業として、展覧会見学に引率し、その場に出展されている建築家の方で関西の方に何人か来ていただき、会場にて「勝手にギャラリートーク」を開催してきました。OCTの学生だけにはもったいない企画なので、事前にtwitte上などで告知したところ、多くの人が集まり、会場は大賑わいでした。


まずは、屋根裏設計寺田さん。建築と道具に差をつけたい。床や窓も道具なのでは。なので、斜めの床も道具としてとらえている。平坦にしたいところは家具として水平の床を。


続いて,dot architectsの赤代さん。リフォーム案。減築によって外部空間を増やしていく。2階レベルを減築により外部化することで裏にある親世帯との関係性をつくっている。親世帯・子世帯の関係性の模索。


次はSPACESPACE。(自分で写真撮れず説明中の写真はありませんが。。。(T T)敷地条件から導き出されるボリューム。環境装置・家具・間仕切り・収納としての丘。新しい建築言語の発明への興味について。


最後に、タトアーキテクツの島田陽さん。敷地環境と、そこへなるべくフラットなるような建ち方。手で運べる部材サイズから構造へ。二階部分のボリュームの家型は町並みと呼応するように。


そして今日は、同じ授業担当で、うちの「地面と屋根上の家」や、TERMINAL01さんの住宅の構造担当のTAPS片岡くんもいたので、構造担当者の視点からも作品の解説をしてもらいました。


>かなり、充実したギャラリートークだったと思います。展覧会は今週8日、日曜日までです。後二日ですが、絶対見るべきです!今、住宅の設計において考えうる様々なキーワードが15作品を通して見えてきます!みなさん是非!


writer:KishigamiJunko/ category:イベント, 展覧会


オープニング
2011/08/08 20:01

先週末、展覧会のオープニングのため事務所総出で東京へ。ヨコハマトリエンナーレ・BankART LifeⅢ 新・港村・小さな建築のスタディ、3つの展覧会です。




やけに豪華なヨコハマトリエンナーレのオープニング。オノヨーコはさすがに来てませんでした。


その後会場を移動して行われた、BankART LifeⅢ 新・港村の前夜祭。


次の日の朝は開村式が行われました。これから3ヶ月、いろいろなイベントが行われるらしいです。


SPACESPACEが設計したブックショップのあるゾーンはまだまだ建設中なので、もう少ししてから見に行ってください。提案内容についてはAARブログに詳しく書いてますので、そちらをご覧ください。


writer:kagawa/ category:イベント


今昔西横堀川と新しい町人のまちづくり
2011/01/14 17:21

2/15~20に行われる(説明会は2/11)下記イベントのワークシップに参加します。ワークショップはディレクターのチーム毎に行うらしいので、是非SPACESPACEチームに参加してください。

平成22年度 今昔西横堀川と新しい町人のまちづくり
公開シンポジウム&ワークショップ

全体概要
今昔西横堀川と新しい町人のまちづくり実行委員会では、かつて大阪市の中心市街地(本町-阿波座間)の中央に流れていた旧西横堀川(現阪神高速道路環状線)の東西界隈で「ものづくり」を中心とした「まちづくり」活動を行っています。

現在は大阪有数のオフィス街であるこの場所もかつては、旧西横堀川の西岸に陶磁器店が数多く見られ、東岸には材木店が建ち並ぶといった、歴史的にものづくりの土壌を有する場所でした。特に西岸の瀬戸物通りでは、江戸時代より現在まで「大阪瀬戸物祭り」が続いており、この通りで生まれた「つぼ算」という上方落語の噺では、大阪商人の「もの」を介した生活者との活き活きとしたやりとりが伝わってきます。このように潜在的に大阪町人の生活文化が積み重なったこの地域に、現在的な「ものづくり」という新たな価値を付加させることで、良き古さに新しさがブレンドされた「まちづくり」を目指しています。

1.公開シンポジウム『地域の特性を活かした都市再生とその展開』

シンポジウム概要
当委員会では本年度より「大阪市街地の歴史的文脈を引き継いだ場所に立地する空きビル・オフィスの有効活用事業※1 」に取り組んでいます。近年金融危機以後、大阪の中心市街地でもビルの供給過剰により既存ビルの空室化と賃料の下落が問題となっています。それらの有効活用に向けて本年度は空室率や意識調査などの現況把握を行いました。そこで浮き彫りになった課題を受けて、本シンポジウムでは、都市再生・建物再生研究の第一人者である東京大学教授松村秀一氏と、東京東地区(CET)の東京R計画、地方での都市再生活動である山形R不動産など、都市の問題を再編集し続けている馬場正尊氏を迎え、地方都市の中心市街地の活性化というこれからの都市的課題に対して多角的に意見交換を行います。

※1平成22年度 国土交通省長期優良住宅等推進環境整備事業 住まい・まちづくり担い手事業認定

講師
松村 秀一(東京大学教授)
馬場 正尊(東北芸術工科大学准教授・有限会社オープンA代表)
パネリスト
末村 巧(みんなの不動産代表・株式会社アートアンドクラフト取締役)
松本 明(近畿大学理工学部教授)
(敬称略)

プログラム
・16:00-16:50:ワークショップ「街から生まれるものづくり」
ショートプレゼンテーション&講評会
・17:00-17:50:基調講演:松村秀一
・18:00-18:50:講演:馬場正尊 
・19:00-20:00:パネルディスカッション
パネリスト:末村 巧,松本 明
司会:河田剛(今昔西横堀川と新しい町人のまちづくり実行委員会代表)

日時:平成 23年 2月 20日 [日] 16:00~20:00
会場:坐摩神社会館(大阪市中央区久太郎町4丁目渡辺3)
地下鉄本町駅15号出口より南側へすぐ(伊藤忠商事と南御堂の裏手)坐摩神社境内南側。
定員:100名
参加費:500円(学生、地域の住人無料)

2.ワークショップ『街から生まれるものづくりのかたち』

概要
本まちづくりのソフト的役割を担う「ものづくりから生まれる小さな景観と大きなネットワーク形成事業※2」は西横堀川のものづくりキーワードである「瀬戸物」と「木材」を使用したシェルフやプランターの都市への設置を通して、地域の担い手とものづくりの作り手とが協力して、賑わい創出と魅力的商業空間を作り上げることを目的としています。このワークショップでは、この活動に加え、※1の活動の現状把握調査で明らかになった「ものづくりの歴史の認知不足」「空室利用の弊害」といった課題を解決するような提案と併せて、旧西横堀川界隈のフィールドワーク・リサーチを通してこの街でしか生まれることはできない「ものづくりのかたち」を見つけ出します。又、ワークショップで生まれた優れた提案は、実現に向けて取り組んでいきます。

※2:平成22年度(社)大阪府建築士会/大阪地域貢献活動センター 大阪地域貢献活動基金助成認定

ディレクター
香川 貴範・岸上 純子 (SPACESPACE一級建築士事務所)
木村 吉成・松本 尚子 (木村松本建築設計事務所)
河田 剛 (とのま一級建築士事務所)
アドバイザー
井内 素 (陶芸家)
田中 おと吉 (”形”STUDIO)
古鍛治 達也 (植物事務所コカジ)
(敬称略)

スケジュール
・説明会:平成 23年 2月 11日(金・祝日)
10:00~12:00
・フィールドワーク:平成 23年 2月 15日(火)(予備 16日)
13:00~17:00
・ディスカッション: 平成 23年 2月 17日(木)
13:00~17:00(以後参加人数に応じたチームでの作業になります。)
・制作作業: 平成 23年 2月 19日(土)
13:00~17:00
・成果プレゼンテーション:平成 23年 2月 20日(日)
公開シンポジウム16:00~16:50でショートプレゼンテーション

定員:20~30名
会場:愛日会館(大阪府大阪市中央区本町4丁目7-11、)

申し込み・問い合わせ:今昔西横堀川と新しい町人のまちづくり実行委員会(担当:林晃輝)
〒550ー0011大阪市西区阿波座1丁目2ー13 3F
TEL&FAX:06-6534-2880 ・email:nishiyokobori@gmail.com
主催:今昔西横堀川と新しい町人のまちづくり実行委員会
協力:摩神社、近畿大学理工学部建築学科松本明研究室、株式会社つぼ善商店、株式会社清水陶器店、うつわ屋Meetdish


writer:kagawa/ category:イベント


いま、建築に何が可能か
2010/05/26 23:23

というタイトルのシンポジウムに参加します。関西圏の人は是非ご参加ください。

– いま、建築に何が可能か –

これから僕らは何を“設計”するのか?
高度経済成長期までは建築分野の“設計”の対象は明確だった。
しかし、日本は2005年より人口減少時代に突入した。
2020年には新設の公共事業がなくなり、民間の住宅着工数も100万戸から50万戸に減ると言われている。
床は余り、「建てること」が無条件で求められる時代ではなくなるのだ。
これから建築を志す人は何を“設計”するのか?
これまでの建築分野の“先人”は、もはやロールモデルとして参考にならない。
建築の考え方や技術は他の何に使えるのか。

[日時] 6月19日(土) 18:30〜21:00
※終了後、会場近くにて懇親会を開催します。(希望者のみ)
懇親会…21:00〜23:00 会費3,000円

[会場] 大阪産業大学 梅田サテライトキャンパス(大阪駅前第3ビル 19階)

[参加費] 一般1,000円 学生500円(当日、会場にてお支払いください。)

[内容] 各パネリストによるプレゼンテーション(近作について)、パネルディスカッション

[参加パネリスト]
・吉永健一(吉永建築デザインスタジオ)
・河原司、中川晴夫、笠嶋彩子(Architect Taitan)
・田中淑恵、内藤玲子(SWITCH建築デザイン事務所)
・香川貴範、岸上純子(SPACE SPACE)
・家成俊勝、大東翼、赤代武志(dot architects)
・玉井恵里子(tapie)
(順不同、敬称略)

[コーディネーター]
・山崎亮(studio-L)

[参加申込み方法]
氏名・性別・年齢・所属・懇親会への参加有無を記入の上、下記メールアドレスまでご連絡ください。折り返し、事務局より参加のご案内をいたします。
申込み締切:2010年6月15日(火)
申込み先:hozsympo@gmail.com
短縮URL:http://hoz-pro.org/member/symposium.html (チラシをダウンロードできます。)
[主催] ホヅプロ実行委員会
[協力] 大阪産業大学、studio-L


writer:kagawa/ category:お知らせ, イベント


佐藤敏宏インタビュー+講演会
2008/05/19 17:29

柳原君の紹介で、福島の建築家佐藤敏宏さんが事務所にやってきた。

藤村君や、他の関東の若い建築家の日記にも良く登場する名前なので、近い世代の人かと思っていたが、全然、50代後半のおじさんだった。東京を始めとして、全国の30代独立系建築家をインタビューして廻っているそうだ。ついこの前は、金沢に行っていたらしい。
そのインタビュー録は、出版して儲けるわけでも無く、自分のホームページにアップしていっているそうだ。何とも変わった人だが、とても50代後半の人の活動とは思えない。

流れるようにインタビューは進み、聞かれるがままに答えた。3時間近かったのではないだろうか。その後は、次のインタビュー対象の所へ向かって行った。関西には1週間滞在して、他の30代達にもインタビューするとか。ホームページにアップされるのが楽しみだ。

僕たちは「観察栽培」されるようだ。5年毎に20年間現れて、どのようになってるか観察しに来るとか。佐藤さんのホームページを通して、全国の同世代達が繋がって行くのは何とも不思議な話である。

その数日後、土曜日に佐藤さんの講演会が開かれた。作品の話はちょっとだけで、主にインタビュー活動の話。そのまま、講演会に来たいろいろな世代の人達が入り交じって、近所の公園で3時過ぎまで、建築の話や関係無い話をする。佐藤さんは公園で飲むのが気に入ったらしく、終始、「ここで飲むために、全国を廻って来た気がする」と言っていた。

佐藤さん、次は福島で会いましょう。


writer:kagawa/ category:イベント


ヴィヴィッド・テクノロジー
2007/12/05 21:16

主催者に誘われ、「ヴィヴィッド・テクノロジー」という本の出版記念パーティーに行ってみる。

大阪では毎年コーディネーターが代わり、毎月建築の講演会を行う「アーキフォーラム」なるイベントがある。東京では講演会なんてしょっちゅうあるのだが、大阪ではこれ以外にほとんど建築の講演会が無く、大阪建築業界の生命線のようなイベントである。

ちょと上の世代の有名建築家は、ほとんどこのイベントで大阪に呼ばれたことがあるのではないだろうか?

今回出版されたのは昨年、京都造型大の講師陣3人がコーディネーターを務めた、若手構造家を呼んだ年の講演会録をまとめたものである。パーティには関西で独立した満田さんに加え、東京からは大野さん、小西さんらの著者も駆けつけ終電まで盛り上がった。

昨今、いい意味でも悪い意味でも建築構造が関心を集めている。一般的に知られているのは悪い方だが、時代の逆境に、気負わずに立ち向かう構造家のビジョンが凝縮された本だと思う。


writer:kagawa/ category:イベント